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分科会報告

 コミュニケーション・リーダーシップ分科会 ( 概要 | 分科会 | 身体分科会 )

テーマごとに勉強会を設け、知識・情報を深めています。運営は各分科会に任され、活動内容は例会やニューズレターで随時紹介しています。現在は、コミュニケーション・リーダーシップ分科会と身体感覚研究分科会が活発な活動を行っています。分科会の後には参加者が懇親会を持ち、親睦を深めています。

2007年 コミュニケーション・リーダーシップ分科会報告

第1回コ分科会
1月16日 品川インターシティ30Fにあり、すばらしい夜景を楽しめる(株)ヴェディオール・キャリアの会議室をお借りして開催。今回の発表者はPMCの元会員であり、長年にわたりPMC活動に積極的に貢献されてこられたスバル人事研究所 多田 稔さん。多田さんは昨年参加されたピースボートの体験を、「私が経験した100日間のリフレッシュ休暇―65才の眼線で見た船旅の記録」というタイトルでアルバムやDVDを交えながら発表。

第2回分科会
3月26日夜に、法政大学 新一口坂校舎の教室で実施。
DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー2006年9月号(日本語)に掲載されたケネス R. ブルーソー、 ゲリー・フーリハン著の論文「リーダーシップの進化プロセス」をテキストに利用した。「職位が変われば、行使すべきリーダーシップも変わる。ところが多くの管理者たちが若き日に習得したスタイルから抜けられず、せっかく昇進しても、その職位に見合ったリーダーシップを実践できない。」が論文のテーマ。

第3回分科会
5月21日夜に 法政大学 新一口坂校舎の教室で実施。 「職場にいる嫌われ者といわれる人たちにどう立ち向かうか」をテーマに議論。 まず谷垣さんが基調発表。「高潔なリーダー」「謙虚なリーダー」「静かなリーダー」が話題になるが、周囲に尋ねてみると、「いいひと」は結局利用されて、リーダーになる人は「嫌な奴」だったりする。 一方で、
ある社員にとって「嫌な奴」も、ほかの社員にとっては「普通の人」というケースがあり、社員間の相性も大きく影響する。

第4回分科会
7月27日夜に 法政大学 新一口坂校舎の教室で実施。
1990年代の初頭から欧米の大会社を中心にキャリアデベロップメントが声高に叫ばれだしたが、会社が提供するキャリアデベロップメント・プログラムと社員が期待するものの間に乖離があることが明らかになっている。「キャリアデベロップメントに関して現在、会社あるいは人事部が直面している問題、障害、課題は何か?」について、プログラムを提供する会社の立場から、また社員の立場から議論した。

パフォーマンス・マネジメント研究所 野尻賢司

 

3月 コミュニケーション・リーダーシップ分科会
第2回コミュニケーション・リーダーシップ分科会報告
〔3月13日、会場:ビーコンコミュニケーションズ〕



ビジネスに貢献するために、社員のエンゲージメントを高めるために、
キャリアマネジメントに関するHRの課題

アメリカ人材コンサルタント、ウィリアム・マーサーのコンサルタントが著したキャリアマネジメントに関する最新の記事「Rethinking Careers to Enhance Business Performance」をテキストにして、3月の分科会が実施された。HRがビジネスに貢献するために、社員のエンゲージメントを高めるために、「キャリアマネジメントとして何に取り組むべきか」ついて、筆者がコーディネーターになり、ワークショップ形式で実施し、参加者14名は熱心に議論を行った。また、8時半以降はイタリアレストラントでワインを飲みながら、懇親を深めた。 

キャリアマネジメントに対し、今までと異なったアプローチが必要

ウィリアム・マーサーのコンサルタントはHRのキャリアマネジメントが給与、トレーニング、採用など各々のサイロの中で議論されて、システム思考を欠落しており、小手先の手直しで今日に至っている事を指摘し、今までと違ったアプローチとして次の3つの考え方を提示した。

Take a Systems Perspective - キャリアマネジメントは組織のビジネス戦略、総報酬戦略、人材戦略といった大きな枠組・視点の中で検討されるべきである。
Get the Right Facts - 自社のHRISやその他のデータを使い、綿密な分析をする事によって、どのようにキャリアが組織の中で展開されているか、そしてビジネスにどのようなインパクトを与えているかを知ることが出来る。
Actively Manage Change - キャリアへの新しいアプローチは既存プログラムへの小手先の手直しではない。態度、信念、及び行動における変更をも伴い、マネジメント・社員からの理解・支持、彼らへの適切なコミュニケーションが必要である。

そもそも「キャリア」を日本語で定義してみよう

私たちHRの人間のみならず、最近では一般社員までもが、いとも容易にキャリアという言葉を日常的に使っている。しかし、このキャリアという言葉を正確に定義する機会やその必要が案外少ない。そこで、2つのグループに分かれた参加者はまず、「キャリア」を日本語で定義することにした。

Merriam-Webster 2003によると 「A career is a field for, or pursuit of, consecutive progressive achievement, especially in public, professional or business life」と定義されている。これを下敷きに各グループは議論を展開し次の発表を行った。
Aチーム
1)仕事を通じて獲得するもの、2)専門性のあるスキル・経験、3)時系列的に積み重なったもの、4)達成された実績であり、他の人たちから評価されているもの。 
Bチーム
1)仕事の軌跡〔アナロジーとしては川の流れのようなもので、後に戻ることは無い〕、2)やりたい事を実現するまでの道のり、3)誰にでもあるもの、究極的にはやりたいこと、4)将来の展望を持ち専門性の追及の道程、5)意識する、しないにかかわらず身につくもの。
ちなみに法政大学の川喜多喬教授によるとラテン語におけるキャリアの語源は「馬車」(carrus)、「馬車道」(carraria)とのことだ。

社員のエンゲージメントを高めるために、どのようなキャリア施策を検討すべきか?

マーサーが米国で実施した「2005 What’s Working Survey」によると社員のエンゲージメントのドライバーであるトップ10の要因の中で6つまでがキャリア関連のものであることが報告されている。そこで、次のタスクとして、各チームはこれら社員がキャリアに関連して希望する6つの要因(注)について、「会社として社員のエンゲージメントを高めるために、キャリア施策として、どのような仕組み、制度、プログラム、環境を提供すべきか」ブレーンストーミング゙を実施した。時間的制約がある中で両チームから出されたアイデアは下記のとおりである。

・会社のビジョンを明確にし、社員に伝える
・社員に何を期待するかを明確にする
・会社のキャリア施策や仕事に関連する情報を分かりやすく伝える
・評価のプロセスを明確にする
・社員が興味を持つ事に従事させる機会を提供する
・キャリアの自律意識を持たせるために上司と社員の対話を促進させる
・ハイ・パーフォーマーにどのような施策〔サクセッション・プラニングなど〕を優先的に実施するか検討する
・社員一般をも対象にした施策も実施することも大切。社員のキャリアに関するデータベースを完備する
・キャリア諸制度(評価制度、フィードバック、育成プログラム、Jobローテーション、社内公募、複線型キャリアなど)そのものをもっと整備すると共に、その効果的運用にももっと力を入れる

注:キャリアに関連して社員が最も希望する6つの要因

1)自分の長期的キャリア目標を達成できる
2)個人として達成感が得られる
3)自分が成長し、自分の実力をつけることが出来る機会がある
4)自分のキャリアを発展させ、管理するために必要な情報や支援が得られる
5)自分のスキルを伸ばすために継続して学習する機会がある
6)チャレンジングで、興味ある役割・課題に従事するチャンスのあるJobである。

パフォーマンス・マネジメント研究所 野尻賢司

 

 

1月 コミュニケーション・リーダーシップ分科会
第1回コミュニケーション・リーダーシップ分科会
〔1月16日、会場:ハドソン・グローバル・リソーシズ〕

いまHRプロフェッショナルとして成功するために、どのようなスキル/経験が必要であるか?

アメリカ人材マネジメント協会(SHRM)は昨年、著名人事コンサルタント8社にHRの将来予測に関するサーベイを実施し、その結果を報告書「The Future of the HR Profession」としてまとめた。 
同報告書をテキストとして、分科会では昨年11月に「10年後のHR」について議論を行った。引き続き、同報告書をテキストに、1月の分科会では、「いまHRプロフェッショナルとして成功するために、どのようなスキル/経験が必要であるか?」について、筆者がコーディネーターになり、ワークショップ形式で実施した。 
当日は、法政大学の藤村博之先生をコメンテーター兼参加者としてお迎えし、14名の参加者は熱心に議論を行った。また、8時半以降は居酒屋に会場を移し、議論はより一層、白熱し、懇親を深めた。

HRを取り巻くビジネス環境の変化の中で、コンサルタントが提案する「主要スキル・経験」

IT技術の進展、アウトソーシング戦略、タレントマネジメントの重要性、ビジネスパートナーとしての役割期待などHRを取り巻くビジネス環境は変化しており、今後10年にわたりこの変化は続く。その様な中で、報告書のなかでコンサルタント8社が提案した「HRが必要とする主要スキル・経験」を、コーディネーターの野尻が分類整理し、次の6種のスキル・経験として提示した。

1) Business Skills: Understanding the dynamics of business and possessing the financial acumen to assess and communicate how HR strategies impact the bottom line. Project and process management skills.
2) Leadership Skills: Creating a vision and strategy. Ensuring the alignment of the organization with the strategy. Managing and motivating a team.
3) Consulting Skills: With a focus on the ability to market their work within the organization. Progressive experience working with senior business leaders.
4) Technology Skills: A proficiency in broad HR applications and their potential delivery systems. Applying this knowledge to the business-planning process.
5) Global mindset: Understanding the dynamics of the global marketplace. Cultivating a staff that is multi-lingual and has direct experience working in other cultures.
6) Change Agent Skills: Leading and managing change. Being able to effect and manage change.

ビジネス、リーダーシップ、チェンジ・エージェント、コンサルタントのスキルが戦略的に重要

3つのグループに分かれた参加者はまず、これらの提案されているスキル経験について理解を深め、その後、これらについて、(1)戦略的か、あるいは非戦略的だが必須という視点、(2)今、自分たちの組織のスキルが優位、劣位のどのレベルにあり、今後どのスキルを優先して習得していくべきかという視点で、現状の人事部門のスキル状況と将来の姿を議論し、それぞれの意見を集約して発表した。各チームの発表は図のとおりである。

Aチーム〔21世紀チーム〕はビジネス、リーダーシップ、チェンジ・エージェントの各スキルが戦略的役割を果たすと位置づけた上で、これらのスキルはまだわれわれの組織では間で劣位にあり、競争優位に立つためにはかなりの改善が必要であると分析した。
Bチーム〔燃える闘魂〕はAチームと同様にビジネス、リーダーシップの各スキルを戦略的と定義。 
さらにコンサルティングスキルを社員に対するものと、ビジネスパートナーに対するものとに区分し、後者を戦略的と位置づけた。このビジネスパートナーに対するコンサルティングスキルはビジネスパートナーが抱える各種問題を解決するために必須であり、従来の人事機能で育成してきたものとは異質のものであり、かつ高い専門スキルが要請されため、どこでその様なスキルを習得していくかも大きな課題である。

一方、Cチームは戦略的、非戦略的とは別の、異なった枠組みで議論を展開し、発表した。
ビジネスパートナーとして機能するためには、リーダーシップ、チェンジ・エージェント、コンサルティングの各スキルが極めて重要であるが、これらを支えるものとして、HRの専門知識、ビジネス知識も必須と位置づけた。さらにグローバルマインドセットはこれからの時代においてはベースとなるものであり、HRの活動に欠かせない。また、これらすべてのHRスキルを効果的に発揮するにはコミュニケーション・スキルも極めて重要であると定義した。

言葉遊びをしないこと! 社員に解るようにあるべき姿を描くこと!

藤村博之先生の講評 

変革の担い手(Change Agent)となることが重要だという議論があった。確かに重要である。また、アメリカの色々な人事手法を取り入れようとするのもいいだろう。しかし、一つ指摘したいことは、言葉遊びをしないことだ。人事を担当している者は往々にして言葉遊びに陥ることがある。どのような場合でも、一般の社員に解るような具体的な姿に落としているかどうか、留意すべきだ。将来像を描くにしても、一般の社員が理解できる具体的な言葉で説明しないと納得されないだろう。たとえば、「コミュニケーションをよくする」というが、どういう状態になったら「コミュニケーションがよくなった状態」と判断できるのか、具体的な姿を描いて見ることだ。 また、コンサルティングスキルに関しても、営業部門が何で悩んでいるかを理解し、その案件の解決に向けて動くことが大切で、スローガンだけを並べても社員はついて来ない。

インフォーマルな分科会活動が会員同士を近づける

コミュニケーション・リーダーシップ分科会主宰者として2年間を振り返ると、例会では得られないインフォーマルな関係を参加者同士で形成できたと実感している。例会で名刺交換をして少し話するだけではまだフォーマルな関係の域にとどまりがちだ。その点、2ヶ月に1度という頻度であっても、同じ顔ぶれがチームを組み議論をし、発表していると、同じ組織の人間であるかのようなインフォーマルな親近感が強く沸いてくるものだ。また分科会の後は、毎回、居酒屋に会場を移し、より一層、白熱した議論が展開され、懇親が深まる。しかも、最近は人事や社員コミュニケーションに関する最新の記事を資料として使っており、日頃多忙で日常業務に追われがちなHR Mgrにとっては、Big Picture を考える良い機会になっている。 さらに可能な限り、藤村先生のコメンテーターとしてのご参加もいただいているので、大学院ゼミのクラスのような雰囲気すらある。まさに、一つの石で2羽の鳥を追い落とすことが出来ているのではと、ひとり自負している。PN

パフォーマンス・マネジメント研究所 野尻賢司

 

11月 コミュニケーション・リーダーシップ分科会
コミュニケーション・リーダーシップ分科会報告
(2005年11月15日)

第5回分科会はコミュニケーション・リーダーシップ分科会と改名して最初の会合を11月15日 ハドソン・グローバル・リソーシズで19名が参加して実施。今回は初めての試みとしてワークショップ形式で、参会者が積極的に参画した。
「今後10年に人事部が直面する主要なる問題、チャレンジとは」のテーマについてアメリカ人材マネジメント協会(SHRM)の資料を基にして、三つのグループに分かれて議論した。

第1グループ: 労働力/人材
*人材の採用、開発育成、保持・確保
*プロフェッショナルの育成
*契約社員や派遣社員が及ぼすインパクト/その処遇、アウトソーシング
「今後ますます、採用マーケットでの競争は激化していくであろう。」「これから入社してくるであろう新規採用者の質と会社の社風をどうマッチングさせていくかが大きなテーマとなる。また、このテーマに対処するに際し、シニアマネジメント、HR,ラインマネジメントの間で現状では意識が一致していない。」「マーケットにおいてプロフェッショナルな人材が不足している。今後これらプロヘッショナル人材の育成が緊急の課題である。」「適切なアウトソーシング先の選定が課題。またHR/総務業務のうちどこまでアウトソーシングすることが可能か(全部?)」などの発表があった。

第2グループ: リーダーシップ/グローバリゼーション
*管理者・リーダーのプロファイル
*管理者・リーダーの育成、サクセッションプラニング
*グローバリゼーション、グローバルリソース
「他の国籍の社員もがリーダーとして認めるグローバルな人材とはどのような資質を持つリーダーか?」「HRはスパーリーダーを採用するとともに、社員を鍛えて、組織の戦略展開に役立つリーダーを育てる必要がある」「マトリックス組織が増えてくると、人事考課などの人事諸制度が既存の枠組みでは機能しなくなる。」などの発表があった。

第3グループ: 社員と会社の関係/バーチャルワークプレイス
*ダイバーシティ(価値観、考え方、ジェンダーなど)
*ロイヤルティの低い・ディマンディングな社員
*ワークライフバランス、テレコンミューティング
「社員が多様化する時代においては、人事部は大きな時代の流れをいち早く読み取る力が要請されている。」「働くことが楽しい場所にする、仕事に対するロイヤルティを育てることが大切である。」などの発表があった。
各グループの発表の後、当日コメンテーターとして参加していただいた法政大学の藤村博之先生から次のようなコメントをいただいた。

辛いけれども自分たちで人材を育てていく必要がある:
「個人でできないことがなぜ組織だったら可能になるのだろうか? 組織には共通の目的があるから、それが可能となる。構成員のエンゲージメントがそこにはある。組織においては、悪い状態のときを乗り越えて、次の状態へ前進し、あるいは前進させる人を育てることが肝要。(もし、組織と個人の関係が単なる契約に過ぎないと、それは代理店契約になってしまう。) 直面している、また遭遇するであろう不確実性を切り抜けるために組織を私たちは作るのである。
どの会社も焼畑農業をやりたがる。すなわち、前任者の遺産を食い潰しながら生き延びようとする。しかし、本来は、辛いけれども自分たちで人材を育てていく必要がある。焼畑農業的発想の会社には良い人材は集まってこない。
会社はチャレンジングなことをこなしてくれる人を採用したいと、無理な要求をしている。確かにいろいろなことを切り盛りしている人はいる。しかし企業はそのような人、スーパースターをマーケットで容易に得られると錯覚している。常時時速150Kmで走るには3000ccのエンジンが要るのであり、現実には、そのような人材はいない。ところが人材採用においてそのようなスーパースターいるかのような幻想をもっている。」 PN

パフォーマンス・マネジメント研究所 野尻賢司



 

9月 コミュニケーション分科会
PMCコミュニケーション分科会(2005年9月20日)報告

第4回コミュニケーション分科会は9月20日 日本エリクソンで11名が参加して実施されました。日本エリクソン人事部長の水上雅人に同社の「社員サーベイの活用」について事例報告をしていただきました。
親会社の会長が会社のバリューシステムを具体的に実践させようと非常に熱心で、その一環として社員サーベイを実施されています。今後、サーベイは毎年実施される予定で、かつフォローアップのアクションプラン作成、実施にも力を入れておられ、人事部としてかなりのエネルギーを投入されておられる様子が伺えました。

パフォーマンス・マネジメント研究所
野尻賢司

 

7月 コミュニケーション分科会
PMCコミュニケーション分科会(2005年7月27日)報告

2005年度第3回コミュニケーション分科会はリサーチインターナショナル社で開催され、14名が参加しました。発表者の菅野さんは同社の商品でもある社員意識サーベイに関して、専門家の立場からサーベイ結果を用いながら説明。当日の発表資料は同社商品であるゆえに、ここで報告として紹介できないのが残念です。
さて、6月にInternational Association of Business Communication総会がワシントンD.C.で開催され、そのときにDr. TJ Larkin & Sandar Larkinが発表した社内コミュニケーションに関する資料を、野尻が分科会の席上でシェアしました。その要約を紹介します。詳細資料を希望される方は野尻までご連絡ください。

Webは万能でない、印刷物やFace to Faceが果たす役割を無視すべきでない

1.短い情報を、急いで検索する場合にWebが最も適している 
すべてのものをWebで対応しようとするのは間違いである。Webが力を発揮するのはメッセージを理解する場合でなく、検索する場合である。Webでは私達は他の情報へのリンクを常に意図しており、次はどこを開こうかということを考えてクリックを繰り返し、文の中身を理解しようという気分になれない。

2.初めてみる、長くて、複雑な情報を理解するには印刷物が一番良い
以前から知っており、長くなく、複雑でない情報を伝えるときはペーパーレスオフィスの考え方は正しい。しかしながら、初めて読む、長い、複雑なメッセージの場合はWeb上で読むよりも、印刷物で読むほうが、ずっとよく理解できる。印刷物では意識を集中して情報理解に努めることができる。また、このことは年齢とも関係がない。「年配の人は印刷物を必要とするが、若者は直接Webページから理解することができる」という意見があるが、間違っている。前述のようにWeb上で理解困難なのは他の理由であり、このことはオーストラリアの大学が10歳の生徒を使って実施した研究調査でも立証されている。

3.社員が変革への抵抗を示す時にはFace to Faceコミュニケーションが絶対必要
人間は、自分が属すグループ内で、よく知っており、かつ信頼する誰かが新しい言動をとり始め、他の人にも推奨する時に彼ら自身変わり始める。遠くからやってくるフォーマルはコミュニケーション(タウンホールミーティング、社内報、Web、E-mail による社内通知)では社員の言動は変化しない。社員を変えることができるのは社員とのインフォーマルな会話を通じてである。

4.Face to Face コミュニケーションの効果的活用
Face to Face のコミュニケーションの役割を重要視する意見があるが、別に直接会わなくても、役割を果たせる場合があることを知るべきである。例えば、先生に会わずにE-mail、文通、インスタントメッセージ、PDFファイルなどを利用した教育でも、通常の教育と同等の効果を挙げられることが研究で証明されている。また、チームビルディングでもFace to Faceの重要性がよく強調されるが、必ずしも、毎度毎度会う必要は無い。もしあるチームはメンバー同士が長い間交流し、よく理解しあっている間柄ならば、電話会議、メールでのやり取りでも効果的にプロジェクトを推進できる。しかしながら、チームメンバー同士がまだ面識が無いという場合、話は別で、Face to Faceの会議をまず開催し、お互いの理解を深める必要がある。

パフォーマンス・マネジメント研究所
野尻賢司

 

4月 コミュニケーション分科会
PMCコミュニケーション分科会(2005年4月19日)報告

米国で社員満足度は過去10年間で約10%低下
アメリカでマネジメントに各種提言をしているThe Conference Boardが仕事満足度に関するサーベイを実施し、「社員満足度は過去10年間で約10%低下した」と興味ある結果を報告している。とくに、中堅世代の満足度低下が大きい。例えば、35歳−44歳の世代ではその落ち込みが最も多く10年前60.9%だったものが、49.2%まで低下した。次に45歳−54歳の世代が続き、57.3%から47.7% に低下した。
The Conference Boardは、満足度低下の要因として、この10年の間起こっている、ITの進展などに見られる急激な技術変化、経営層からの生産性向上の更なる要請、Baby boomersと異なった価値観を持ったが社員層が多くなってきており、彼らの会社への期待変化などをあげている。日本には10年前と同じ質問で世代の変化による満足度を比較したこの種のデータはない。しかし、ここに挙げられた要因は日本にもそのまま当てはまるものであり、大いに参考にすべきものと考える。仕事一辺倒の世代の価値観とワークライフバランスを実現しようとする新しい世代の価値観の対立は日本のビジネス界ではまだ解決されないままに今日に至っており、フリーター、ニートの増加の遠因となっているといっても過言ではない。

管理職のコミュニケーション力が社員満足度を上げる
アメリカにおいて、社員の満足感とその会社の業績との間には強い相関関係があることがいろいろなデータによって示されている。また、社員の会社生活すべてにおける満足度は管理職のコミュニケーション力が優れていればいるほど増す(GE と HP が 1980s に実施した調査)ことも報告されている。The Conference Boardは満足度の高い企業では、「社員の仕事が価値あるものであり、社会的に意義あることを強調している。上司との十分なコミュニケーションが実現されており、社員の意欲が高い。社員のスキル開発に熱心である。金銭的報酬よりも非金銭的レコグニションに熱心である。ワークライフバランスに努力している。」と報告している。
今日、最新のコミュニケーション技術が利用可能になってきている。その結果、社内コミュニケーションは、イントラネット、ウェブミーティング、 e-mail、ボイスメールによる通達、 ビデオ、などマスメディア・チャネルに傾斜し、一方通行となっている。そして、上司によるFace-to-Faceのコミュニケーションの役割を無視する傾向にある。一方で、上司の方も、スパンオブコントロールが大きすぎる、コミュニケーションスキルが弱い、十分なコミュニケーショントレーニングを受けていない、コミュニケーションをとる時間を持てない、などの問題点を抱えている。
ところが現実では、このように大きな役割をはたす社内コミュニケーションの質を上げるための努力が不十分であることに気づく。片手間に社内コミュニケーションに取り組んでいるというケースがまだ多い。社内コミュニケーション責任者を任命し、社内コミュニケーションの戦略を考え、その活性化に関し経営層に提言して行くことが必要である。

パフォーマンス・マネジメント研究所
野尻賢司

 

2月 コミュニケーション分科会
「川柳って美味しい!」by 高鶴 礼子先生

2月15日、ビザ・インターナショナルにおいて、いつも会報の柳壇でお世話になっている高鶴礼子先生をお招きし、8人の出席者を集め、川柳ワークショップが行われました。
まずは高鶴先生より「川柳は十七文字の人間諷詠」である、つまり十七文字という限られた器に人間を盛りつけるものである。また川柳は「吐く」ことである、本音を言うことが大切だが、一度自分の中に取り込んで消化してから吐きましょう。という説明がありました。川柳というと、面白いことを戯画的に詠むと思われがちで、それも川柳ではありますが、本当はもっと切実なもので、命がけで詠むほどのものなのだということが分かりました。少しこれまでの自分の態度を反省した次第です。
そしてここからはすぐに実践です。ウォームアップとして、川柳として成立するように直してみましょうという問題がありました。ここに問題だけ掲載しておきますので、皆さんも頭の体操と思ってやってみてください。

問1 何か背負っていたのだが何も無い⇒
問2 無人駅 列車 感情 無策 暴走⇒
問3 小走りで駅から五分我が家まで⇒小走りで駅から五分〔    〕まで
問4 白菜は霜枯れの頃甘くなる⇒〔    〕は霜枯れの頃甘くなる

この後、佳句を鑑賞しました。中でも私が面白いと思ったのは
ノックしてほしいからドア閉めておく
生きてくれお願い母よ死んでくれ
の二句です。

さて、準備も整ったところで、全員が席題「母」で句を作りました。高鶴先生からきちんとした好評を一句ずついただき、たいへんタメになりました。私は母というと、同居している母のトンチンカンぶりにさんざん迷惑したり可愛いと思ったり、ということでアタマがいっぱいになり、可笑しい内容の句しか詠めなかったのですが、今回秀作として選ばれたのは下記のしみじみとした三句でした。

(佳作) ふり返り手を振る母の無事祈る
(佳作) にぎりしめ母にごちそう初月給
(特選) 五年経ちようやく開く母の手紙

今回、案外と(?)出席者の皆さんに文才がある!ということに驚きました。意外に(しつこい?)やるじゃありませんか。ということで、今回出席できなかった皆様も、きっと才能があります! 川柳に自分の思いを託してみませんか?

ビザ・インターナショナル
高岡 紗知子

 

 
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