2008年09月06日

採用が壊れている



今、現場では「採用が壊れている」と感じています。最近、特にその思いを強くしています。今日はそのあたりを書いてみようと思います。中途採用の現場では、採用企業、転職するビジネスマン、そして人材紹介会社の3者が、いわば三つどもえになって、お互いの利害をぶつけ合っているようです。本来であれば、

>採用企業: いいビジネスマンを採用してポジションを早く埋めたい

>転職するビジネスマン: いい条件で、やりがいのある仕事ができる会社で働きたい

>人材紹介会社: 採用企業とビジネスマンが満足できる形でマッチングを実現し、売上をあげたい

一方、人材紹介会社から見た現実は、

>採用企業: 企業は多数の人材紹介会社に仕事を依頼している (成功報酬が条件)

>転職するビジネスマン: 複数の人材紹介会社と付き合う (無料のサービス)

このため、人材紹介会社のとる戦略は、上の条件下で決まってきています。

●人材紹介会社

・人材をいかに効率よく、複数の求人に応募してもらうか ⇒ ビジネスマンの満足度はUPする場合が多い

・決まりやすい求人はやるが、難しい求人はやらない ⇒ タダ働きを回避しようとする

・あまりコミットしない ⇒  「いい人材がいたら紹介しますよ」、「いい求人があったら紹介しますよ」

もちろん、ここで残りの2者の視点も簡単に書き添えておきましょう。

●採用企業

・どこの人材紹介会社からの紹介でも、いい人材が採用できればいい

・多数の人材紹介会社と関わるので、それぞれにあまり時間をかけられない

・頼りにできる人材紹介会社は少ないし、そもそも採用コストが高いので、できれば

 人材紹介会社は使いたくない

●ビジネスマン

・いい仕事につければ、人材紹介会社はどこでもかまわない

・人材紹介会社が間に入ることで、企業に自分の声が届いているか不安

・人材紹介会社の役割に、そもそも疑問を感じている(人も多い)

「採用が壊れている」とまで書いたのは、上のような三者三様の思いの中で、それぞれに対する信頼関係が壊れていると思うからです。この結果、何が起きているかと言うと、

>採用企業: 求人がいつまでも埋まらない、採用の失敗が増加、採用コストは下がらない

>転職するビジネスマン: いい求人に巡り合えない、情報が少ない、転職に失敗、いい条件を獲得できない

>人材紹介会社: 採用企業とビジネスマンとの信頼関係がつくれない、売上が少ない、仕事の質が落ちる

ポイントは、人材紹介会社が信頼に足るプロの仕事をやれていないという点もあるでしょうが、それもすべては成功報酬で仕事をしなければならない仕組みになっていることに起因している感もあります。また人材紹介会社の数が激増していること、そしてサービスのクオリティーがかなり玉石混合であることも、問題です。

タダで人材紹介会社にプロの仕事をしろというのも無理な話でしょうし、採用コストを下げ、またスピーディーに空席ポジションを採用で埋めていかないと、企業の本業に大きく響くことでしょう。個人である転職するビジネスマンは、企業と人材紹介会社のハザマで、おそらく一番損をするのかもしれません。

私は、上の問題を根本的に解決する方法が必要であると思っています。まさにそれが企業の採用戦略になると思うのですが、今後も機会があるたびに、PMCのベテラン人事部長さんと、議論を深めさせていただければと思っています。「採用が壊れている」今こそ、採用には「新しい戦略」が必要だと思っています。


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