景気後退の中、右を見ても左を見ても、業績不振な会社がたくさんあります。だからこそ、多くの会社は「救世主となるような人物」を採用したいと思うのかもしれません。
しかしあえて言うなら、救世主はその求人企業の経営者や現在働いている幹部たちであり、新しく採用する人材に、スーパーマン像を求めたところで、それは少し違うんじゃないかなと思うときがあります。
プロ野球の世界でも、メジャーリーグで活躍した「優秀な即戦力」を高いコストをかけて毎年補強しますが、活躍できる選手はほんの一握りです。優秀な即戦力を採用したつもりが、その採用に疑問を持つ多くの社員の抵抗や反発の結果、戦力化に失敗する事例はプロ野球に限った話ではなく、多くの企業の中途採用の現場で繰り返されています。
つまり、過去の成績が優れた「優秀な即戦力」であっても、環境やチームが変われば同じようなパフォーマンスを出せる保証はなく、大切なことはリーダーが彼らをどのように起用していくか、その点をしっかりと考えていくことじゃないかなあと思います。
最近、モンスターペアレント(親)やモンスターペイシャント(患者)が社会に増えているといいますが、文句ばかり言っている、言わばモンスター社員も同時に増えていると、知り合いの人事部長さんが嘆いていました。
モンスター社員の存在は、パフォーマンスの高い組織作りや優秀な人材の採用を阻んでいる一因となっているケースもありますので、これは頭の痛い問題です。というのも、モンスター社員とはいわゆる社内の不満分子なわけですが、以前からたくさん存在した典型的な不満分子とは根本的に性質が違うと、最近、経営者や人事部長の方々は一様に口をそろえています。
何が違うのかというと、仕事帰りに飲み屋で会社や上司の悪口を言うのではなく、モンスター社員は会社の内外で公然と経営者を批判し、同僚や上司と対立することも辞さない人たちだからです。モンスター社員が管理職であることも多く、面接官にもなります。
実際、採用を検討している面接官が、面接の場で「うちの会社には来ないほうがいいよ」と求職者を相手にささやいたという具体的な事例を、私は何度も耳にしたことがあります。
良い採用を実現するためには、社員からのサポートがとても重要ですよね。どんなに経営者のビジョンや会社の業績に魅力があっても、今働いている社員を見て、新しく入社する人は入社判断をするのです。つまり、新しく入社する人は今、その会社で働いている社員の様子を見て、自分の将来像を重ねるものです。ということは、やはり活気ややる気のある社員が多ければ、自分もそのような働き方ができるはずだと確信できるようになり、自ずとモチベーションの高い、前向きなタイプの求職者が集まるようにもなるのです。
会社の幹部の方々には皮肉屋な人が多く、ナナメからものを見たり、淡々と冷静なコメントをする人がいますが、ぼくはどうも苦手です。
「やってみなはれ。やらなわかりまへんで。」
今日もめげずに、せっせと新しい候補者を人事部長さんたちに提案する毎日です。