2007年08月25日

中学受験ブームを考える

今、「中学受験ブーム」が本格的に訪れているようです。高校受験ブームではなく、まして大学受験ブームではないのです。「中学受験」というところに、最近の世相を感じます。

毎年、春と夏に盛り上がる甲子園の高校野球も、出場校の大半は私立校であり、テレビで学校紹介を見ていても、各校がいかに特徴を打ち出しているか、その結果、栄誉ある甲子園出場を達成したか、誇らしげに全国にPRされています。昨年の夏の大会で優勝したハンカチ王子の斉藤君がヒーローになった早稲田実業は、最近の「中学受験ブーム」と重なり、今の世相を象徴的にうつしている感じがしました。

色々と、こうしたブームを後押ししている、社会現象や出来事を思い浮かべてみました。何が根にある原因かというと、色々と異論はあるかと思いますが、少なくても、小学5年生の息子を持つ僕としては、次に上げるようなキーワードが親として頭に浮かびます。

・ゆとり教育の失敗 ・少子化現象 ・教師の質の低下 ・地元の公立中学の評判 ・学校施設の格差 ・中高一貫教育 ・
・個性を生かす教育 ・先取り授業 ・大学進学実績 ・国際教育 ・価値観の多様化 ・・・・

少子化で生き残りをかける私立中学の各校は、上のようなことを持ちあげて、いかに自分達の学校に特徴があるか、積極的にPRしています。PRに関しては基本的に無言のままの地元の公立中学と比較すると、年頃の子供たちを持つ両親へのアピールには、大きな較差が生まれていて、それこそまさに「中学受験ブーム」に拍車をかけていっているように思います。

僕の小学5年生の息子も、いわゆる中学受験を意識した進学塾に通っています。地元の区立の小学校では、息子のクラスメイトの3分の2が、今日現在、進学塾に通っているというのだからおどろきです。(全国平均から見ると、この比率は高い数字かもしれません。)息子の成績が低迷し、本人もやる気を見せてくれないときに、僕は息子に言いました。「中学受験やめてもいいんだよ。ついでに塾も。」そうすると、すごい剣幕で息子が言うのです。「ダメだよ、だって僕の学校の友達、皆塾でも一緒なんだから!」 親として複雑な思いがしました。

僕自身は、実は今から約30年前、中学受験をしました。その当時は、クラスに5人くらいしか、中学受験組はいませんでしたから、ある意味、皆と一緒の地元の公立中学にいけないことを寂しく思っていたことをよく覚えています。後に父に聞いたのですが、当時海外駐在が予定されていた父が、息子を日本で継続して教育を受けさせるために(単身赴任には父は反対でした)、中高6年間、息子を預けられる学生寮のある学校を選んでくれたのでした。(僕は結果として、両親が帰国するまでの4年間を学校の寮で生活しました。)

今、親になってみて感じることは、中学受験が良かったかどうかというよりも、あの長い寮生活が自分の早い自立を促したこと、結局中学受験を乗り越えたことが、後に自信につながったような気がしています。毎日塾通いをしていたことは、正直つらかったし、今、親として息子を見ていても、本当にこんなことをしていていいのだろうかと、迷いが生じることも正直な気持ちです。

今年ももうすぐ子供たちの夏休みが終わろうとしています。ふと、塾の夏期講習に通う息子を見ていて、親父は色々と考えてしまったのでした。


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