建築士の方と話をしていたときのこと。その方が何度も使う言葉に気がついた。それが「動線」であった。つまり、その建物の中を色々な目的を持って人が動き回るわけで、それを意識した設計をすることが最重要課題だというのだ。そして目的は連続体である。たとえば夕食の準備をしている主婦の方は、同時に庭の洗濯物の取り込みが気になり、お風呂も洗っておきたい。うまく時間のやりくりをして、家の中をじゅうおぷ無人に歩き回るのだが、そのときに目的に応じて、効率よく歩ける、つまり動線が優れた設計の家で働く主婦と、動線が乱れたつくりの家で働く首都では、家事から感じるストレスの大きさがまったく違うというのだ。
なるほど、これはどんなことにも当てはまるなとふと思った。
転職にも動線があるように思う。仮に初めての転職から定年まで25年あるとして、その間に3、4回転職したとしよう。その人の転職が1回目、2回目と回数を重ねていく中で、自分のキャリアに一貫性がある方は、いわば動線の設計がうまいということであり、3回目、4回目にもスムースにストレスフリーの転職をできることが多い。一方、動線が悪い人、つまりキャリアに一貫性がなく、あとから振り返ってみると、なぜこの人はこの会社に転職したのか、もうひとつわかりにくい動きをしてしまった人は、キャリアの後半になって、転職に苦労していることが多いように思う。
やっぱり、動線って大事なんだなと、あらためて思った。