2006年10月01日

島耕作をヘッドハントする!

今日は、ひとつ、ビジネス漫画をご紹介したいと思います。漫画家、弘兼憲史の代表作、「課長島耕作」です。シリーズ化している本書をご存知の方は多いと思います。多くの日本人ビジネスマンの共感を得て、このビジネス漫画は大ヒットしました。部長シリーズ、取締役シリーズ、そしてヤングシリーズ(若き日の島耕作)という展開で、そろそろこれ以上の展開が難しくなってきていますが、間違いなく人気シリーズなのです。万が一ご存知のない方のために、少しあらすじを説明します。

日本の大企業で働く中間管理職である課長島耕作は、自分の主義主張を曲げずに、時には左遷されたりもしますが、結果的には社内政治を勝ち抜き、出世していきます。英語も堪能、さらに結婚して娘もいます。奥さんとの関係は冷えていますが(後に離婚)、ひとり娘とは深い信頼関係があります。一方、器用にも社内外にて恋愛をスマートにこなします。転勤や出張も多く、海外駐在も経験。何度か社内の内紛に巻き込まれて地方に左遷されますが、上司の強い引きもあって復帰。経営トップとのパイプを作り、銀座の高級クラブのママや京都の割烹の若おかみともいい仲になります。このように島耕作は、私達が容易に実現できないことをいとも簡単に実践してくれるために、日本人ビジネスマンの憧れのシンボルとなったのです。

作品の中にはない架空の話ですが、もし島耕作が30代前半で、企業派遣によって米国にMBAを取りに行き、帰国。その後、ヘッドハンターにヘッドハントされ、外資系に転職したとしたら・・・島耕作ストーリーは全く違った方向に展開していったことでしょう。そう、PMCの世界に島耕作が現れたら、そんなことを考えながら、ちょっと無理やりですが、島耕作をMBAに派遣したストーリーを書いてみます。ほんのさわりですが、この先も読んでみたい!と思ってくださったら、、、、嬉しく思います。


島耕作のMBA初日。同じクラスで出会ったリンダは魅力的な金髪の独身女性。過去に中国人と付き合ってお金を騙し取られた経験を持ち、それがゆえに東洋人のことを忌み嫌っている。MBAクラスのディベートでは、必要以上に島耕作に敵対心を燃やし、流暢な英語で徹底的に島耕作をたたきのめす。そんなある日、リンダは路上でニューヨークのストリートチルドレンにお金を巻き上げられる島耕作を見かける。「バカなヤツだ」と、そのときは無視を決める。後日、リンダは同じ路上で島耕作をみかける。同時に、ワンブロック先には先日島耕作からお金を巻き上げたストリートチルドレン(グループのリーダー格で10歳になる男の子であるジョー)が、今日のカモを見つけるために道端で通行人を物色している姿を見つける。ニューヨークのアップタウンでは、誰も特に気にかけない日常の光景だ。アジアからの旅行者をいいカモにしているストリートチルドレンのジョーは、狙いを定めて新たなカモである東洋人らしき男性に近づいていった。「おっさん、金貸してくれない?」振り返った島耕作の顔を見て、とっさにその顔を思い出したジョーは、後ろを振り返らず逃げようとした。後ろからジョーの手をつかむ島耕作。そしてこう言う。「君にまだ名前を名乗ってなかったね。僕はコーサクというんだ。What’s your name?」しぶしぶ、ジョーは名乗る。「ミスター・ジョー、これが僕の名刺だよ。僕はアップタウンに住んでもうすぐ1ヶ月になる。まだまだ新米だね。君のほうが僕より先輩だから、これからもよろしく頼むよ。あ、そうそう、もしお金を借りたくなったらいつでも電話してくれないか。できるだけの協力をするよ。」ジョーは唖然として名刺を受け取った。島耕作
は、高々と手を振り上げると、颯爽と駆け込んできたイエローキャブに乗り込み、その場を離れていった。一部始終を見ていたリンダは、「信じられない」と天を仰ぐ。一方、リンダは心の中で何かが氷解していくことを打ち消すことは出来なかった。翌日、MBAのクラスで島耕作とディベートをする。どうもいつものキレがない。そんなリンダの変化に気がつく島耕作。リンダは「ふうっ」と大きくため息をつくと、島の目をまっすぐ見つめて言った。「クラス終わったら、私の部屋に来ない?」・・・・


「課長島耕作」という作品が典型的な日本人ビジネスマンのサクセスストーリーだとすれば、ビジネス環境の変化とともに、描かれるべき成功する日本人ビジネスマン像も多様化していく必要があるのでしょう。これまでの日本型ビジネスの世界で成功した島耕作が、グローバルビジネスの現場である外資系の世界でもはたして通用するかどうかも気になるところです。日本の特殊性をいたずらに主張する過ちを犯している日本の大企業が多い中、実際、成功している日本企業、そして日本人ビジネスマンが持つ、グローバルに共通するスキルとは何か、今後も修行を続けていきたいと思っています。そしてリアルの世界で、いつの日か、現代版・島耕作をヘッドハントしたいものです。

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