2008年10月14日

未訳の良書紹介 その三



本邦未訳のビジネス本紹介の第三弾。



久しぶりの書き込みです。しばらく前から用意していたものの、UPが遅れてしまい、もう邦訳が出版されているかもしれませんが....。

Made to Stick (2007) by Chip Heath & Dan Heath を紹介します。

2007年のビジネス書ベストセラーの一つ。Stickyなメッセージ、記憶に残るメッセージの要素を心理学の研究成果などを引用しながら、面白く説いていきます。大学教授とコンサルタントの兄弟の共著です。

いわゆる「都市伝説」の類の話しがなぜ人々の記憶に残るかというところからスタートし、事例をふんだんに盛り込み、また巻末注では、参考文献や研究も紹介されています。

なにより、各章ごとに、使用前・使用後のような、文章の添削例も入っているのがいいですね。次に示す6つの要素に乏しい文章(ダメな例)を、いくつかの要素を付加するだけですごくよくなる(完璧にするわけではないが)ということを見せるのです。まさに「見える化」の効果です。また、そうやって具体例を示すことがこのMade to Stick のキーポイントの一つでもあるわけで、Stickyマジックにやられたかなという感じもします。

よほど自信がないと書けませんね。だって、テーマが「記憶にのこるメッセージ」ですから、その主張そのものが、本で実践されているのか、読者の目で評価されるようなものですから。

さて、その6つの要素を以下に要約して紹介します。

6つの要素 

Simple

コアとなるメッセージがしっかり明確であること。本当に必要不可欠なものに集中すること。必ずしも長さが問題ではない。不必要なものをそぎ落とした後で、なおかつ意味を持ち、むしろ含蓄があり、聞き手がそのメッセージから豊富なイメージや過去の経験を思い出すことができるようなもの。(相手にとって新しいことを、比喩やイメージで表現することが効果的なのは、相手がその比喩やイメージを理解することができる知識を持っているからである。

Unexpected

驚かせることで注意をひく。冒頭に持ってくると効果的。予想を裏切るところに驚きが生まれる。一瞬の驚きで終わらせず興味関心と好奇心を起こさせるためには、ミステリーのように、謎を投げかけてそれが徐々に明らかにしていくプロセスなどを使うことができる。

Concrete

具体的に、具体例をあげること。抽象的な話で終わってはならない。具体例であればあるほど、聞き手の納得度が上がる。その具体例の上に自分の経験などを重ねてくことができる。

Credible

信じられるメッセージか。詳細なデータ(たとえば、サーベイの結果や財務指標など)の裏づけなど。専門家とされている人の見解。

Emotional

理性だけでなく感情に訴える。無味乾燥な数字だけでなく、いやだとか、うれしいという感情を伝えようとする。相手の欲求や存在意義にあうようなメッセージにする。

Story

人々に何らかの行動変容を起こさせるためのストーリー。ストーリーは聞き手の頭の中に一種のシミュレーションを走らせる効果。聞き手が自分の頭で関連のことをいろいろ考えるようになる。他でうまくいった例をストーリーとして紹介することで、自分たちでもできるかもしれないと考え始める。この場合、あまり詳細なストーリーを話すよりも、骨格だけでよい。聞き手の方が、自分の知識でイメージを膨らませていて、聞き手の方も自分のストーリーを語り始めると対話につながる。



全部の要素を満たす必要はないと著者もいっています。

宣伝広告の面だけでなく、リーダーのコミュニケーション、人事から従業員へのコミュニケーションにおいても、参考になる内容だと考えます。

それにしても、言うは易し、行うは難し。実践と練習あるのみと言われればその通りかもしれませんが、未熟者の私は、ここ一番の大勝負の時のみに参考にしてみようかなと思ったりしています。

したがって、この書き込みも脱力系で書き流してしまいました。

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