谷垣 州一
Shuuichi Tanigaki

日本企業で20数年勤務し、最初の10年ほどは国内営業部門の人事、工場の労務というドメドメドメスティックな人事も担当しました。その後、海外留学、海外勤務経験を経て、国際化研修の企画とプロフィットセンターの事業運営管理も経験しました。会社を離れた後、人材育成関係の様々な仕事を経験し、現在では、人材コンサルティング会社で、社内外の研修の講師や人事関係の調査分析などを主に行っています。

昔から趣味は仕事といわれていて、それ以外は何も知らないといっても過言ではない、非常識人です。仕事柄マネジメントに関する本や論文をよく読み、多少映画やTVや音楽のことは知っているという程度。そういったこともあって、Wishy-washyな地に足の着いていない話しかできないのです。

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優柔不断ではっきりしない。もやもやとしていてよくわからない。ぐちゃぐちゃ言っている割には中身がない。平板な、つまらない、気の抜けたといった意味の英語の慣用句、wishy-washy。私の周りでこの言葉をよく聞くのは、自分がそうだからかも知れません。そこで、開き直って、思いっきりwishy-washyなトークをしてみることにしました。「表」と「裏」そして「闇」の3つのカテゴリーに分けて、人事や人材育成、人とココロに関する話題を幅広く語っていきたいと思います。

2008年10月14日

未訳の良書紹介 その三



本邦未訳のビジネス本紹介の第三弾。



久しぶりの書き込みです。しばらく前から用意していたものの、UPが遅れてしまい、もう邦訳が出版されているかもしれませんが....。

Made to Stick (2007) by Chip Heath & Dan Heath を紹介します。

2007年のビジネス書ベストセラーの一つ。Stickyなメッセージ、記憶に残るメッセージの要素を心理学の研究成果などを引用しながら、面白く説いていきます。大学教授とコンサルタントの兄弟の共著です。

いわゆる「都市伝説」の類の話しがなぜ人々の記憶に残るかというところからスタートし、事例をふんだんに盛り込み、また巻末注では、参考文献や研究も紹介されています。

なにより、各章ごとに、使用前・使用後のような、文章の添削例も入っているのがいいですね。次に示す6つの要素に乏しい文章(ダメな例)を、いくつかの要素を付加するだけですごくよくなる(完璧にするわけではないが)ということを見せるのです。まさに「見える化」の効果です。また、そうやって具体例を示すことがこのMade to Stick のキーポイントの一つでもあるわけで、Stickyマジックにやられたかなという感じもします。

よほど自信がないと書けませんね。だって、テーマが「記憶にのこるメッセージ」ですから、その主張そのものが、本で実践されているのか、読者の目で評価されるようなものですから。

さて、その6つの要素を以下に要約して紹介します。

6つの要素 

Simple

コアとなるメッセージがしっかり明確であること。本当に必要不可欠なものに集中すること。必ずしも長さが問題ではない。不必要なものをそぎ落とした後で、なおかつ意味を持ち、むしろ含蓄があり、聞き手がそのメッセージから豊富なイメージや過去の経験を思い出すことができるようなもの。(相手にとって新しいことを、比喩やイメージで表現することが効果的なのは、相手がその比喩やイメージを理解することができる知識を持っているからである。

Unexpected

驚かせることで注意をひく。冒頭に持ってくると効果的。予想を裏切るところに驚きが生まれる。一瞬の驚きで終わらせず興味関心と好奇心を起こさせるためには、ミステリーのように、謎を投げかけてそれが徐々に明らかにしていくプロセスなどを使うことができる。

Concrete

具体的に、具体例をあげること。抽象的な話で終わってはならない。具体例であればあるほど、聞き手の納得度が上がる。その具体例の上に自分の経験などを重ねてくことができる。

Credible

信じられるメッセージか。詳細なデータ(たとえば、サーベイの結果や財務指標など)の裏づけなど。専門家とされている人の見解。

Emotional

理性だけでなく感情に訴える。無味乾燥な数字だけでなく、いやだとか、うれしいという感情を伝えようとする。相手の欲求や存在意義にあうようなメッセージにする。

Story

人々に何らかの行動変容を起こさせるためのストーリー。ストーリーは聞き手の頭の中に一種のシミュレーションを走らせる効果。聞き手が自分の頭で関連のことをいろいろ考えるようになる。他でうまくいった例をストーリーとして紹介することで、自分たちでもできるかもしれないと考え始める。この場合、あまり詳細なストーリーを話すよりも、骨格だけでよい。聞き手の方が、自分の知識でイメージを膨らませていて、聞き手の方も自分のストーリーを語り始めると対話につながる。



全部の要素を満たす必要はないと著者もいっています。

宣伝広告の面だけでなく、リーダーのコミュニケーション、人事から従業員へのコミュニケーションにおいても、参考になる内容だと考えます。

それにしても、言うは易し、行うは難し。実践と練習あるのみと言われればその通りかもしれませんが、未熟者の私は、ここ一番の大勝負の時のみに参考にしてみようかなと思ったりしています。

したがって、この書き込みも脱力系で書き流してしまいました。

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2008年08月15日

未訳の良書紹介 その二

本邦未訳のビジネス本を紹介する第二弾。

今回は、次の本を紹介します。

The Secret Language of Leadership: How Leaders Inspire Action Through Narrative

by Stephen Denning  (October 12, 2007)

ファイナンシャルタイムズの2007年ベストブックにノミネートされています。

 

Denningは、ストーリーテリング、物語力、ナレッジマネジメントについて数々の著作があります。ハーバードビジネスレビューの日本語版では200410月号「人々の想像を刺激するストーリーテリングの力」、また書籍では『チームリーダー』というタイトルの本(原題 Squirrel Inc.)や共著の『ストーリーテリングが経営を変える』が日本語で入手可能です。

日本のビジネス雑誌でも彼のことが取り上げられたことがあるようですし、「ストーリー」、「物語」といった言葉は、ビジネスシーンで(広告宣伝の方だけでなく)流行語になりつつあるように思います。

個人的な予言ですが、ストーリー、物語あるいはその関連用語は、2008から2009にかけての流行語大賞候補になると思っています。そのデニングがリーダーシップについて書いたのがこの本。ファイナンシャルタイムズの2007年ベストブックにノミネートされています。

 

今までの著作の中心テーマはナレッジマネジメントやストーリーテリングについてでしたが、リーダーシップに真正面から取り組んだ力作、リーダーシップという観点での今までの著作の集大成がこれだという感じです。彼自身が世界銀行でナレッジマネジメントを広めたというChange Leaderです。今までも、変革リーダーがどのようなストーリーテリングを行うと効果的なコミュニケーションができるかという論点での著作はいくつかあるようです。しかし、ここでは、彼のリーダーシップ観、リーダー観が集約されているように思えるのです。そういう意味で、彼が「リーダーシップ」に本格的に取り組んだ最初の著作であると私は考えたのです。

 

まずデニングは、リーダーシップを変革のリーダーシップ(Transformational Leadership)であると定義します。

その上で、コアとなるLanguage of Leadershipの3つのステップと、それらのリーダーシップを効果的に発揮させるための6つの条件をあげていきます。

 

まず、コアとなっているLanguage of Leadershipの3つのステップはストーリーを使ったコミュニケーション術。そのステップはプレゼンテーションの基本に似ていると思われました。


3つのステップ
 

Step #1:聴衆の注目をひき (Getting the Audience's Attention)

Step#2:今とは違う未来を求める欲求をかきたて (Eliciting Desire for a Different Future)

Step#3:理由によって強化する (Reinforce with Reasons)

そして、その後、継続的な会話につなげていくことが大切だと説く。(Continuing the Conversation)

 

Step#2では、感情に訴え、Step#3で理性に働きかけるということのようです。そして対話につなげる。それができれば、苦労しないし、カリスマ性のあるリーダーでしか無理じゃないだろうかと思ってしまうところですが、デニングは誰もがスキルを身につけることで発揮できるのだと力説します。(タイトルでは、Languageを身につけることに喩えたのかも知れませんが、別のLanguageを身につけることの難しさを知っている人間にとっては、これまた難しいと思ってしまうのですが。)

 
6つの条件
 

6つの条件 (Enablers)の方が、リーダーシップを発揮するためのスキルや組織として整えるべき条件を示しているようで、私個人としては、より新鮮で、気づきも多かったので、次に紹介しておきます。

 

1.     Articulating a clear, inspiring change idea(そもそも目指すゴールがはっきりしていなかったり、私利私欲の追求だろうかと見透かされるようなものではだめ)

2.     Leader’s own story: committing to the change idea (自分が本気になって、変革の方向性を信じていることが大切。自分自身も信じていないような変革を誰が成功裡にリードできようか。)

3.     Understanding the audience’s story(変革に巻き込まれる人々のストーリー(彼らの声、彼らの立場にたった意見)をしっかりと受け止めて理解する。聞き入れろとはいっていないことに注意。理解を示すけれども、それとは違った方向に持っていこうとするわけだ。)

4.     Using narrative intelligence(なんとかintelligenceというのは、EQ =Emotional Intelligence の指数Quotient から流行になったようだが、このNarrative Intelligenceは、ストーリーの力をいかに理解して使いこなせるかという能力とでもいえようか。)

5.     Telling authentically truthful stories(本物の、本当のストーリーを語るべし。)

6.     Deploying body language (ボディランゲージを効果的に使おう。)

 


どれもこれも、聞けばあたりまえに思えることも多いのですが、ストーリーテリングの大家の名に恥じないくらい例として使われるストーリーがなかなか面白いのです。アル・ゴアが大統領選では失敗したが、地球温暖化問題では多くの聴衆をひきつけたのはなぜか?変革に失敗した雑誌編集者の話など....。

 

しかし、彼の著作を読まれたり彼の講演を聞かれた方はお分かりだと思いますが、彼のいうストーリーテリングは、ハリウッドの脚本家が書く波瀾万丈のストーリーではありません。むしろ、目的にとっては、彼がミニマリストアプローチと呼ぶ余計なことを剥ぎ取った短いストーリーが成功することがあるのです。あるストーリーを語ることによって、相手(聞き手)自身が持っているストーリーを呼び覚ますような、そんなSpringboard storyの効果がいい例だと思います。

だからこそ、普通の人がスキルを身につけることによって、彼のいうNarrative Intelligenceが向上してリーダーシップを発揮できるようになると説くのです。

 

ただし、ストーリーテリングという手法の範疇から抜け出てリーダーシップ全般を視野に入れて書いた本であるがゆえに、正直いって、How toの部分と高い視点からリーダーシップを論じた部分が混在し、多少焦点がぼけたかなという気はします。

 

次回は、Made to Stickを取り上げたいと思います。これも、コミュニケーションに関連することですが、2007年のベストセラーの一つです。こちらは、デニングの本よりも読みやすかったです。

 

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2008年06月10日

PMCの書評から

次回、別の本を紹介すると書きましたが、書評といえば、PMCのメンバー配付ニューズレターに書評欄があります。そこで、今回は私の書評に先立って、PMCのメンバーがいかに多彩な関心を持っておられるのか、ここ最近の書評欄にのった書名をあげてみました。PMCのメンバーはこんな本を紹介しあったりして、例会や分科会やイベント以外でも広報誌を通じてコミュニケーションをしているのです。

『エンロン 内部告発者』-巨大企業の権力の崩壊:米国エンロン社の女性内部告発者シェロン・ワトキンスの告白  シェロン・ワトキンス 他 著
 
『人口減少経済の新しい公式 - 「縮む世界」の発想とシステム』 松谷明彦著

『旭山動物園の奇跡』週刊SPA!編集部編

『不肖・宮嶋 踊る大取材線』宮嶋茂樹 著

『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』身近な疑問からはじめる会計学  山田真哉 著

The Five Dysfunctions of a Team by Patrick Lencioni

『燈火節』 『野に住みて』 片山廣子 著

『感じるマネジメント』 リクルートHCソリューショングループ編著

『影の外に出る』 片岡義男 著

『利休 破調の悲劇』 杉本苑子 著

See Jane Lead: 99 Ways for Women to Take Charge at Work   by Dr. Lois P. Frankel 

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2008年06月01日

未訳の良書紹介 その一

先のブログで予告したように、いくつかの本邦未訳のビジネス本を紹介したいと思います。まず第一弾。

Hard Facts, Dangerous Half-Truths, and Total Nonsense: Profiting from Evidence-based Management
Jeffrey Pfeffer, Robert I. Sutton
Harvard Business School Press; 1 edition (March 1, 2006)

組織や人事についてのグルの一人であるフエッファー教授と、イノベーションと組織についてのこれまたグルの一人であるサットン教授の共著。
二人の共著としてはKnowing-Doing Gap (邦訳:「実行力不全」)に続くもの。
医療の分野で使われていたEvidence-based Management を広くビジネス界に広めるきっかけになった本である。いかに通説や俗説に惑わされたマネジメント慣行が多いか、流行を追うだけで役に立たない経営手法が多いかということを、理論と研究の成果によるEvidenceを用いてぶった斬るものである。まじめだが痛快。「ブレークスルーアイデアと呼ばれているものは、だいたいが過去の理論や手法の焼き直しにすぎない」として、実際の証拠を示して論じていく。
一方で、第一印象として、コンサルタントのうわべだけ新しい袋にした手法を鵜呑みにするのではなく、学者が実証した研究の成果を実務で活用して欲しいという、先生方のやや我田引水の主張のようにも聞こえた。また、証拠のないものしか実行しようとしなくなると、革新的なことへのチャレンジができなくなるのではないかという懸念も生じた。しかし、これらは誤解だった。
よく読んでみると、強調されているのは、経営者の、あるいはHRプロフェッショナルとしての「あるべき態度」であるように思う。「自分は何でもわかっている」という傲慢さを戒めると同時に「自分は何もわかってない」から手もでないという臆病さも戒めているのである(P52)。何がわかっていて、何がわかっていないかを冷静に見極め、そしてわからないことは実験して一歩アクションを起こして確認してみる姿勢が大切だとする。
本の内容をもとにしたハーバードビジネスレビューの記事の邦訳はあるが、このBook自体は2008年5月末現在邦訳されていないように思う。

日本で最近出版された戦略本の中にも、この本にインスパイヤーされものがあるようだ。
(憶測ですが、きちっと引用も示されているのでそう思いました。好意的に評価しています。その本とは、「なぜ新しい戦略はいつも行き詰るのか」清水勝彦著)
次回の本紹介は、The Secret Language of Leadership: How Leaders Inspire Action Through Narrative
by Stephen Denning を紹介してみたいと思います。ファイナンシャルタイムズの2007年ベストブックにノミネートされています。

2008年05月19日

ネットワーキングとPMC

組織のリーダーにとってのネットワーキングの重要性を説く、INSEAD (インシアード)ビジネススクールのハーミニア・イバーラ教授は、3つのネットワークがあるといいます。

1)Operational Network  (今の仕事に役立つネットワーク -社内の関係部門とか人事部門内のネットワークなど)

2)Personal Network (社外の同種の仕事をしている人のネットワーク、個人的な友人、同窓会ネットワークなど) 

3)Strategic Network  (社内のトップ層とのつながり、仕事上直接関係のない同僚など、社外異業種の人たちとのつながり)



イバーラ先生はは、経営リーダーとなる場合には、特に3つめのStrategic Network を持っていることが必要だといいます。そして、そのStrategic Network は 前2者のネットワークと重なることもあるといいます。要は活用次第という風にもとれました。

 

さて、わがPMCは外資系人事責任者の集まりですから、2)の同種の仕事をしている社外の人たちとのネットワークでPersonal Network に該当するようです。それだけでは、Strategic Network とは呼べないようです。

しかし、仕事とは一見関係のないような話題の定例会のテーマも、思わぬところでビジネスのひらめきにつながるかも知れません。以前から太鼓など音楽を取り上げたり、芸姑さんのことを取り上げたりと多彩な話題を各種イベントで取り上げてきましたが、そのような意外な取り合わせから、自社における人事のアイデアを得られることもあるかも知れません。活用の仕方によっては、Strategic Network にもなるのかもしれません。

PMC会員でない外資系人事担当者の皆さん。もし読んでおられたら様々なネットワークの機会を提供するPMCの入会検討してみませんか。

 

(参考)INSEAD podcast(「人脈の戦略 -エグゼクティブに不可欠な3つの人間関係」としてダイヤモンドハーバードビジネスレビュー2007年3月号に記事もでています。)

2008年04月08日

新刊書籍紹介 待望の訳書登場 The No Axxxole Rule 

2008/4/11発売予定の 『あなたの職場のイヤな奴』 という本に注目しています。この週末には本屋に並ぶのではないでしょうか。(検索する際は、カタカナや漢字に注意してください)
宣伝をするつもりはありませんが、PMCでも以前原書を話題にしたことがあるということから、紹介しました。
以前このブログでも取り上げ、
http://www.pmc-netmeeting.com/blog/shuuichi-tanigaki/000128.html
コミュニケーションHR分科会(2007年第3回)でも小生が紹介し、皆さんで議論したことがある本だからです。
http://www.pmc-netmeeting.com/rep_section_c.html
(分科会では、みなさんのアドバイスもあり、英語では伏字にしなくてはならない言葉を「嫌われ者」とか「嫌な奴」と表現しましたが、今度のタイトルをみると、結構いい訳だったなと思ったりします。)

日米の職場環境の違いもあるかもしれませんが、この問題は共通の課題であるという認識もできると思います。
パワハラやいじめといったこと、 こういったことに「明るく(?)」取り組む姿勢が感じられるな、などと思ってしまいました。(不謹慎かな。)少し日本とアプローチが違うのかもしれませんが、私は参考になると思っています。ご参考までに。

ついでに、「嫌な奴」にNoというには?という連想で、もう一冊紹介しておきます。ネゴシエーション本と受け取られがちですが、ハラスメントなどの対応にも参考になる 『最強ハーバード流交渉術―仕事が100倍うまくいくNoの言い方』 という新刊も待望の訳書でこの3月に出版されました。原題 Saying Positive No です。 テイストはずいぶん異なります。ビジネス交渉よりも自己啓発(広い意味での)に役立つように思います。

次回は、本邦未訳で注目の本を2、3とりあげてみようかと思います。

 

2008年03月04日

グラマーガールを知っているかい?

グラマーガールを知っているかい?
といっても、Grammar Girl というポッドキャストのことで、英語のGrammar文法のことを面白く話してくれる、全米で話題のサイトだそうです。これは、Mignon Fogarty という女性が昨年2007年に立ち上げたもので、2007 Winner Best Education Podcast – Podcast Awards などを受賞しているらしいです。
http://grammar.quickanddirtytips.com/

(RとLを間違えさらに綴りを間違えないと、日本でカタカナでよくつかう「グラマー」にならないんですね。両方綴りを間違えやすい単語だと思いますが、それは今日のメインの話題ではないので、ここまで。)

そのビジネスとしての成功についてのCNNの記事がこちらにあります。
http://edition.cnn.com/2007/TECH/internet/01/22/grammar.girl/index.html

また、一種のeラーニングとして、学習・教育畑の人にも注目されて、カンファレンスで講演したりしているようです。

3分から5分程度で一つのエピソードですから、ごく短いかたまりで配信されていることになります。そこに、笑えるエピソードを交えて話してくれるので、文法嫌いの米国人にも受けているのでしょう。決して英語学習者だけに向けられたわけでなく、ネイティブスピーカーの人たちのファンも多いようです。むしろ、彼らもいかに文法で間違いを犯しているかということを示しているのかもしれません。

取り上げられている話題には、「知ってる知ってる」と思えるものもあり(中には)、「これっていつもわからず迷うんだよな」と思っているもの...たとえばKansasにアポストロフィをつけて所有格にする時に、Kansas' かKansas's か?といったこともありました。

私も試しに聞いてみましたが、面白いけれど、早口でしゃべるので、むしろ英語のリスニングの訓練にもなるかも、と思ってしまいました。テレビで英語のジョークを聞き流してわかるなら、一度でクスッと笑っちゃうのでしょうけれど、私は、繰り返し聞かないとわかりません。3分の話しで、自分で繰り返し聞こうとして理解しようとするので、文法の落とし穴も記憶に残るし、リスニングも計10分くらい聞いていることになります。結果としていい勉強になっている気はします。(そういうところまで考えてつくったわけではないと思うけれど)

学習という面で効果があるのか?についても少し考えてみました。
1月の例会での東大の中原先生の講演で教えていただいたことを応用すると、知識獲得とその次の段階である既存の知識や経験との知識統合は起こっているように思います。これが実践で活かせるかどうか、知識転移が起こるかどうかは、これからが楽しみです。

ちなみに、今日3月4日は米国では、National Grammar Day だそうです。(と、このサイトでいっているだけなのかも知れないですが。)
ということで、それにふさわしい話題を書いてみました。

2008年02月15日

2月定例会の私的ご案内

 

会員の皆様へ、

すでに締め切りになったかと思いますが、この2月の定例会では、私が以前のブログで取り上げた「書籍紹介:企業内人材育成入門」の著者である中原先生が講演されます。(その時の記事はずいぶん偉そうなことを書いてしまったなと恥ずかしい限りですが リンクはこちらから↓)

http://www.pmc-netmeeting.com/blog/shuuichi-tanigaki/000091.html

中原先生は、そのブログのアクセスも多く、「blogする教育学者」「子育て参加する教育学者」と呼ばれて(自称?)います。また、最近では「英語deキャリアアップ」という(ituneStoreで1位)英語学習のポッドキャスト番組の監修もされています。

やさしい語り口の中にも、鋭い問いかけがある先生のブログの記事。最近では、-誰も語りたがらない「フリースペース」- というタイトルの記事の問いかけが気になっています。「教育や学習の問題とは、常に個別具体的です。 すさまじき世界へようこそ。」で結ばれている記事です。「人事」や「労務」と置き換えても当てはまりますね。むしろ、そちらの方がフィット感があります。これは、もしかしたら教育や学習が、「すさまじき世界」であると普段は思っていないせいかもしれません。教育や人材育成が実は「個別具体的ですさまじき世界」なんだという認識があまりないのかもしれません。教条的で人を均質的に扱う「きれいごとの世界」というイメージの方が強いのかもしれません。

さて、定例会では、どのような問いかけがあるのだろうか。楽しみです。

2008年02月01日

本音と建前と常識とKY

長距離通勤でバスも使っている私ですが、ずっと気になっていることが一つあります。
「危険ですから走行中は席を立たないで下さい」というアナウンスです。
「バスが停止するまでは席を立たないで下さい」と書いてあったり、聞いた事もあるように思います。
確かに、重たい荷物を肩から下げていると、早く降りようとして立ち上がっていくと、ふらつくことがあります。(老人は特にね。)

ほとんどの人は、先に立ち上がっていくようだけれども、自分はこの指示に従ってきました。(赤信号は、まあ結構歩くこともあるのですが、この指示には律儀に従ってきたのです。多少「あまのじゃく」なところがあるもので。)
ほとんどの場合、先に降りる人がいるので(自分が後から立ち上がることもあり)、何も問題を感じずに何度も降車してきました。ところが最近、少々車内トラブル(?)がありました。

つい先日、たまたま私しかその停留所で降りる人がいなかった時、完全停止してから立ち上がった私に、運転手の「降りる方いらっしゃいませんか」というややイラついた声。
「オイオイ、止まってから立ち上がれと書いてありながら、それじゃ、止まる瞬間には料金支払い箱の近くに来ておけというようなもんじゃないか。」

(とは心の中だけでいって)実際は、「降ります。」となぜか申し訳なさそうにいって降車した私でした。
気のせいだとは思いますが、他の乗客の冷たい視線を浴びていたような気さえしました。

本音は定時運行もしなくちゃいけないし、モタモタしてもらっては困るということなのかもしれません。書いてあるのは建前で、事故が起こった時の免責のために書いてある。さっさと立ち上がって降り口に近いところに行くのが常識なんでしょうかね。

こういう人間を、いつまでたっても空気の読めないKYというのでしょうか。仕事では状況感知力は重要だとか他人にいうこともありますが、自己愛人間でもある私は、KYと呼ばれる人たちが案外好きなのかもしれません。

2008年01月10日

サーバントリーダー

サーバントリーダー という言葉をお聞きになったことがあるかもしれません。奉仕するリーダーというような意味ですが、カリスマと対極にあるようなリーダー像ですね。(そうでもない面もあると思いますが、ここでは細かく突っ込まないことにします。)
実は、リーダーの比喩としてサーバント(召使)を使いはじめたのは、私が世界で最初ではないかと実は思っています。Robert Greenleaf がそのことをテーマにした本を出版した提唱したのが確か1977年ですから、それよりは前です。学校の生徒会のリーダーとして、「私は皆さんのサーバントになる」と演説したのが(おそらく)世界最初です。以来30数年間、自分自身サーバントリーダーでありたいと、また常にそうあるべきだと行動を律してきたと自負しています。また、道徳的勇気を持てと説くMoral Leadership 論に感化されたのが80年代で、常に道徳的に正しいことをすることを信念としてきました。また、ビジョンを持つことが大切だし夢を語ることも大切だというリーダー像にも感化されてきました。そして、それらを実行してきたと自負しています。
しかして、結果として私はそのようなリーダーになったのだろうか?あるいは、そのようなリーダーで(その当時ですら)あったのだろうか?振り返ってみると、周りにきいてもリーダーであると思っているより、むしろただのサーバントであると考えている人が多いように思うのです。昔はリーダーだったのにどうして今は違うのだろうかと思って、数十年ぶりの同窓会で同窓生に聞いてみると、「あれ?生徒会やってたんだっけ?」と憶えていない人の多いこと多いこと。昔も今もリーダーとは認められていないんだなと、情けない思いをしました。なぜだろうか?悩んだあげく出した私の結論は、次のようなものです。
今でも、組織の長たるリーダーは、サーバントリーダー、道徳的勇気を持ったリーダーであるべきだと信じています。ただし、その組織の長になるためには、極端ないいかたをすれば「嫌われ者」の側面もないと競争の中を生き抜いてリーダーとして選ばれることもないのだと考えます。戦士の顔を持ったリーダー像と賢者の顔をしたリーダー像はお互い矛盾するように聞こえます。でも、これを両立させつつ、組織の階段を登る時には戦士の顔を見せ(必要に応じて)、登りつめたときには賢者の顔を見せるのが、サーバントリーダーなのでしょう。山のふもとで賢者の顔をしているだけでは山に登れないということかもしれません。 PMCの分科会で、組織の中の「嫌われ者」の議論をした時に、「いいひと」が出世するのはあまりみたことがないとか、「嫌われ者」がトップになってるよね、といった話がでていました。基本的に、「いいひと=サーバントリーダーで、私利私欲を捨てて奉仕し、倫理的道徳的な勇気を持つひと」がトップリーダーになって欲しいと思います。しかし、「いいひと」と「いつも好かれる人」は違いますね。いつも好かれるだけでは、そもそも引き上げてもらえないし、組織の階段をのぼっていくことができないのでしょう。「いいひと」も必要な時には「嫌われ者」にならなければ、組織の中で大きな仕事ができるリーダーにはなれないのではないでしょうか。

サウイフモノニ ワタシハナリタイ のか?
それはまた別の話。