企業でも、個人の生活でも同様ですが、かねてからそこでの成功に重要な役割をもつ
ものとして、アドバイザー、コーチなどの存在が語られてきていますが、最近これに
加えメンター(mentor) の重要性が所々で強調されているように思います。
メンターという用語は、欧米(特にアメリカ)ではかなり以前から使われ、日本でも最近は
マスコミなどでよく目につくようになり、聴くところではメンターアワードなどの制度ができ、毎年
メンターオブザイヤーが選ばれて表彰されるようです。
では、古くから使われているアドバイザーなどの用語とメンターとは同一のものかというと
必ずしもそうではなく、メンターには他の用語にはない独特の意味合いが込められているように
思います。このことを少し調べげみましたので以下にそのポイントを要約してみます。
1、聴くところではメンターの語源は、ふるくギリシャ神話にみられ、オデッカフスという万能の
神にたいし、全く無償で奉仕の精神で助言を捧げる神(神のしもべ)として、メンターとよばれる
存在があり、これにより万能神オデッカフスはその神威を存分にふるうことができた。
2、従ってメンターはそれが奉仕する対象に対しては全く無償の助言サービスを行うもので、
ビジネスの世界などで、有償で行われるpersonal advisor service とは全く異なった奉仕として
存在する。
3、このようなメンターの存在は、そうザラにはあるものではなく、困難な企業経営トップとして
成功するためには、真の意味でのメンターをもった者のみが可能となる。いまやビジネスの世界
で一般的に用いられるメンターなどとは異なった、私利私欲を離れた、純粋な心で行われる
アドバイザー サービスでなければメンターの名に値しない。
このような背景を考えると、コマーシャルなコンサルテイング サービスに携わる場合に、真に
メンターとしての役割をになうことは決して容易なことではないとおもわれます。それにつけて思い
だすのは、かってヒューレット パッカードの女性社長 カーリー フイオリーナ(Carly Fiorina)
が、米国でもきわめてまれなtop 100 企業の1つ ヒューレット パッカード の女性CEOに
就任し、数年間の任期中、同社のPrinter business 中心の経営を大きくIT産業全般に拡大することに
成功しながら、その一環として行われた IBM系のPCmaker コンパック社の買収が裏目に出て、
CEOの辞任に追いやられたことです。
その際、アメリカのマスメデイアが彼女の失敗の原因としてコメントした、彼女を真に
サポートするメンターをもたなかったこと、あるいは無償で奉仕するよきアドバザーをもてず
大企業トップとして、いつか独りよがりな経営判断におちいってしまったことが挙げられていま
した。米国でもまれなビッグビジネスの女性CEOという地位が、以下に困難でかつ周囲からの
羨望と嫉妬にさらされがちなものか、、、ということを「メンターの欠如」という事実に即くして
語っていたようにおもいます。
私自身、(HR中心の)コンサルテイング会社の経営にかかわりをもつため、このような
メンターの役割、重要性、ごく普通なコマーシャルベースのコンサルテイングとの本質的な違い
などを思い合わせ、メンター(mentor) の意義をも一度考えなおしてみなければと思っています。
松田 弘
Neo Millennium Ltd.