皆さま御承知のようにさる12月5日に「労働契約法」が成立、公布されました。
(施行日は3ケ月以内でいずれ決まるそうです。12月21日現在未施行)
労働基準法とこれにかかわる就業規則以外に、被用者の(最低限の)労働条件を定めた
法規はこれまでなかったと思いますので、今回の労働契約法の内容を興味深く読みました。
一言でいえば、使用者と被用者が個別にむすぶ雇用契約(労働契約)は、今回の法律により
雇用契約の内容が就業規則を上回っている限り、雇用契約で合意された労働条件が優先する
ということです。一例をあげると、出向など企業の業務上の都合で実施される制度は、雇用契約で
「出向は被用者の意向を無視して行わない。労使双方の同意により行う」と規定されれば、
就業規則で、「出向を命じられた社員は、特別な事由がない限りこれを拒むこてはできない」
とされていても、雇用契約の条件のほうが被用者に有利なわけですから、就業規則のこの
部分は、その社員(被用者)には適用されないことになるはずです。
これまで、使用者と被用者間で個別に結ばれる雇用契約(労働契約)と、使用者が社員全般を
対象に適用する就業規則とのあいだに異なった部分がある場合、どちらが優先されるか曖昧で
あったように思います。この面から今回の労働契約法は被用者(労働者)の権利保護に一歩
踏み出したとおもわれます。
私も職業柄、労働法規の改廃、新設には関心をもっていますが、今回の労働契約法はあまり
新聞などマスコミで取り上げられていようで、やや不審に思っています。HRMの皆様のご感想を
うかがえれば幸甚です。
松田 弘